母乳のメリット・デメリットは?母乳とミルクの利点を比較してみた

母乳 メリット デメリット

「母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養です!」

‥と、現在は母乳育児がさかんに推進されていますが、母乳の具体的なメリットとは何なのでしょうか。そしてデメリットはあるのでしょうか。

・母乳(完全母乳)のメリット・デメリットは?
・ミルク育児のメリット・利点は?
・長期にわたって(1歳半・2歳すぎまで)授乳するメリットはある?

母乳とミルクのメリット・デメリットについて、比較してみました。

母乳(完全母乳)のメリット・デメリットとは?

完全 母乳 メリット

「赤ちゃんを母乳で育てたい」というお母さんは多いもの。それでも「絶対に完全母乳で育てる!」と気負ってしまうと、お母さんのストレスになってしまいます。そしてストレスは、母乳育児の大敵。出るものも出なくなってしまいます。

母乳で育てるメリット・デメリットとは、何なのでしょうか。それではまず、母乳のメリットを具体的に見てみましょう。

1)赤ちゃんのメリット│母乳は完全栄養食品!

母乳のメリットはさまざまですが、まず注目したいのが栄養バランスのよさです。母乳にはタンパク質、糖質、ビタミン、脂質、タウリンなど、乳児の成長に必要な栄養成分がバランス良く含まれています。

また、消化器官が未熟な乳児のために、母乳は短時間で消化されやすくなっています。

母乳に含まれる栄養

・タンパク質
・アミノ酸
・脂肪
・乳糖(ラクトース)
・カルシウム
・ビタミン
・亜鉛
・酵素‥など

母乳に含まれる成分は、乳児の成長にあわせて、少しずつ変化していきます。母乳は、赤ちゃんがその時に必要な栄養を含む「完全栄養食品」なのです。

2)赤ちゃんのメリット│免疫力がアップする

母乳には、乳児を細菌などからの感染から守る「免疫物質」が豊富に含まれています。母乳には「免疫グロブリンA」という免疫物質が多く含まれています。

「免疫グロブリンA」は、乳児の胃・腸・気管支などの粘膜に広がって膜を作り、ウイルスや細菌、アレルギー物質が血液中に入り込むのを防ぎます。そのため母乳育ちの赤ちゃんは、中耳炎や気管支炎になることが少ないと言われています。

免疫物質が特に多く含まれているのが、産後3~5日頃までに分泌される「初乳」です。初乳は普通の母乳と成分が違い、無菌状態の子宮から生まれてきた乳児を守るため、免疫物質が特に多く含まれています。

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3)赤ちゃんのメリット│あごの発達・脳の発達

赤ちゃんは母乳を飲むとき、口の中でいろんな動作をしています。お母さんの乳房から母乳を飲むことは、哺乳瓶につけられた人工乳首からミルクを飲むよりも、ずっと体力とコツがいることなのです。

「母乳育ちの子供よりも、哺乳瓶と人工乳首で育った子供のほうが、口内の器官が発達しない」「歯並びが悪くなる傾向がある」という報告もあります。

哺乳期に口腔にかかわる筋肉が正常に発達しないと、離乳期以後の咀嚼機能にも大きく影響します。いわゆる“噛めない子”になってしまうのです。

引用:「ここまできた新常識 赤ちゃん学を知っていますか?」産経新聞「新・赤ちゃん学」取材班(新潮文庫)p.159

母乳を飲むことで、あごの発達が促されます。また、母乳を吸う刺激が脳の発達にいい影響を与えるとも言われています。

4)ママのメリット│産後の子宮の回復が早まる

完全 母乳 メリット

出産後、早いうちから授乳を始めることは、お母さんにとってもメリットがたくさん。母乳育児をスムーズに進むだけでなく、母体の回復を助けてくれるのです。

産後、乳児がおっぱいを吸う刺激で「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。「オキシトシン」の働きで母乳が出るのですが、このホルモンには子宮の収縮を促し、分娩後の出血をとめる働きもあります。

子宮が完全に回復するには、産後3ヶ月~半年ほどかかりますが、出産直後から新生児に母乳をあげ続けることは、産後のお母さんのカラダの回復を早めてくれるのです。

5)ママのメリット│産後のダイエットになる

妊娠中にお母さんの体脂肪が増えるのは「産後の授乳に備えるため」と言われています。授乳することで、妊娠中に体に溜め込んだカロリーを消費することができるのです。

そのため母乳育児ママは、授乳によるダイエット効果が望め、早めに妊娠前の体型に戻れる傾向があります。「授乳中は食べても食べても太らなかった!」というお母さんもいます。

また授乳によってホルモンバランスが整うという利点もあります。

6)ママのメリット│手間がかからない

母乳は特別な準備もいりません。おっぱいをだして赤ちゃんにくわえさせてあげればOk。哺乳瓶の消毒も、ミルクを買いにいく手間もかかりません。

母乳であれば、夜間の授乳も横になったまま、添い寝でしてあげることもできます。

また外出の際も、小分けにしたミルクや哺乳瓶を持ち運ぶ必要がないので「身軽に出かけられる」という利点があります。予期しない出来事でお出かけが長引いても、ミルクのように足らなくなることがありません。

7)ママのメリット│乳がんリスクが減少する

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多くの研究から「授乳は乳がんを防ぐ」ということが分かってきました。なかでも「閉経前の乳がんを予防する効果が高い」と言われています。

米国のがん研究協会は「授乳は乳がんの予防的な役割りを持つ」という研究成果を発表しています。(2007年 世界がん研究基金(WCRF)米国がん研究協会(AICR)の報告書)

母乳育児をしたことのある女性にがんが少ない原因は、無排卵の期間が長いためだと言われています。また、授乳期間があることで「更年期障害の不定愁訴が軽くなる」というデータもあります。

8)経済的なメリット│母乳育児はお金がかからない!

赤ちゃんが生まれると、オムツ代や洋服代など、何かとお金がかかりますね。ミルクの場合は、粉ミルク代・哺乳瓶代などがかかってきます。

その点、母乳育児は経済的です。お母さんが栄養バランスのとれた食事をしていればOkです。(ただ、お母さんがお腹がすくので、食費はかかるかもしれませんが‥)

いつまで授乳する?長期に授乳するメリットは?

・母乳には、1歳をすぎても十分な栄養がある
・母乳を飲む総量が多ければ多いほど、子どもの免疫力は強化される

母乳の栄養・免疫成分は、1歳をすぎてもなくなることはありません。長期に授乳することで、子どもの免疫力が強化されると言われています。

ちなみに日本では1歳半~2歳をすぎると卒乳を考えますが、世界の平均卒乳時期は「4.2歳」だとか。

なんといっても母乳育児の利点は、ママと赤ちゃんがスキンシップがとれることです。

柔らかく温かいお母さんの胸に包まれておっぱいを飲むことは、赤ちゃんのメンタル的な発育にもいい影響を与えるはずです。

母乳育児のデメリット

母乳 メリット デメリット

母乳育児のメリットをみてきましたが、デメリットはあるのでしょうか。今度は母乳育児のデメリットをみてみましょう

1)授乳間隔が短い

母乳は乳児にとって消化のいい栄養なので、すぐにお腹がすきます。ミルクだと授乳の間隔があきますが、母乳だと授乳間隔が短く、1日に何度も授乳してあげる必要があります。

特に新生児期は「おっぱいが終わったと思ったら、またすぐにおっぱい‥」と、おっぱいをしまう暇もない程かもしれません。

2)乳腺炎などのトラブル

母乳育児をしていると、さまざまなおっぱいトラブルが起きる可能性があります。

母乳が乳房にたまりすぎたり、食生活に気をつけていないと、乳腺炎になる恐れがあります。乳頭にできた傷から細菌が入って、化膿性乳腺炎になることもあります。

他にも、白斑ができたり、乳房にしこりができたり‥。母乳育児のためには、日常的なおっぱいチェックと、細やかなケアが必要になります。

3)赤ちゃんと離れられない

赤ちゃんが母乳しか飲まない場合や、哺乳瓶をいやがる場合、赤ちゃんの食料(=母乳)を供給できるのはお母さんだけ‥ということになります。

そのため、お母さんが1人で出かけることも難しくなります。またお母さん側でも「赤ちゃんが飲んでくれないと、胸が張って辛い」ということが起きます。

4)母乳育児ママは食べ物に注意が必要

母乳は、お母さんの食べたものから作られます。お母さんが甘いものや油っこいもの、乳製品などをとると、ドロドロとした美味しくない母乳ができてしまいます。

ドロドロ母乳は乳児の胃腸に負担をかけますし、乳腺炎を引き起こす恐れもあります。

なかには「何を食べても平気」というお母さんもいますが、乳腺炎になりやすい体質のお母さんもいるので、毎日の食べ物には注意と気遣いが必要になります。

ミルク育児のメリット・デメリットは?

母乳 ミルク メリット デメリット

それでは、粉ミルクのメリット・デメリットには、どのような点があげられるでしょうか。

育児用粉ミルクの主な原料は牛乳ですが、牛と人間ではおっぱいの成分が違います。そのため粉ミルクメーカーは、牛乳を人間の母乳により近づけるためにさまざまな工夫をしています。

しかし粉ミルクには、母乳に含まれるグロブリンAなどの免疫物質は含まれていません。それでは、ミルクで育てる際のメリットとデメリットを見てみましょう。

ミルク育児のメリット

・母乳より腹持ちがよいため、あげる回数が少なくすむ
・乳腺炎などの「おっぱいトラブル」に悩まされない
・ママ以外の人でもミルクをあげられる
・哺乳瓶だと、どれくらいの量を飲んでいるか分かる
・食べ物・アルコールなどの制限がない
・次の妊娠を希望している場合、妊娠しやすい

ミルク育児のデメリット

・ミルクには免疫物質が含まれていない
・粉ミルクを調乳する手間がかかる
・授乳によるダイエット効果が期待できない
・外出時にミルク用品一式を持ち運ぶ必要がある
・ミルク代・哺乳瓶代などがかかる

完全母乳のママ友から「母乳じゃないの?」と聞かれたり、目の前で授乳されたりすると‥ミルク育児ママはちょっと居心地が悪いことも。

母乳でも、ミルクでも、混合でも!

母乳 ミルク 混合 メリット

母乳にもミルクにも、それぞれメリット・デメリットがあります。お母さんの生活スタイルや、仕事の有無によっても事情は変わります。

また、赤ちゃん側でも、食の細い子、食いしん坊な子、おっぱいが大好きな子、あまりこだわりが無い子‥個性は人それぞれです。

母乳でもミルクでも、赤ちゃんが元気に育ってくれるのなら、そんなことはどうだっていい。こだわる必要はないと思います。

そもそも赤ちゃんがママに対して強く求めていることは何でしょうか。

それは多分「母乳で育ててもらう」ではないですよ。「ママがゆとりを持って笑顔で接してくれること」。これが一番だと思います。

引用:「10人産んだスーパー助産師のストレスゼロで続けられる!母乳育児の本」こばやしひさこ(すばる舎)p.129

母乳でも、ミルクでも、混合でも。お母さんと赤ちゃんが笑顔でいられる方法が、ベストな方法なのです。

この記事を書いた人

執筆者:菜月

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