母乳の仕組みって?母乳を作る「幸せホルモン」を増やす方法5つ

母乳 作る 仕組み

「母乳を作る仕組みがわかれば、母乳育児はラクになる?」

お母さんの胸から出る母乳は、血液から作られています。赤い血液が白い母乳に変化するなんて不思議ですね。一体母乳は、どのような仕組みで作られているのでしょうか。

・母乳を作るホルモンの仕組みとは?
・授乳前に、胸がツーンとするのはなぜ?
・母乳を作る「幸せホルモン」を増やす方法とは?
・おっぱいの出方を確認する方法は?

母乳を作るホルモンは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれています。「幸せホルモン」を増やす方法など、まとめてみました。

母乳を作る仕組み│母乳は血液から作られる!

母乳(乳汁)は、お母さんの血液から作られるため、母乳は「白い血液」とも呼ばれています。それでは、赤い血液がどうやって白い母乳に変化するのでしょうか。

母乳 仕組み 血液

乳房のなかには、「乳腺葉(にゅうせんよう)」と呼ばれる小さな母乳の製造工場がたくさんあります。その何百もある乳腺葉のなかで、母乳は数滴ずつ作られています。

お母さんが口にした食べ物は、血液として乳腺葉に運ばれ、白い母乳に変わります。そして乳腺葉で作られた母乳は、乳腺(乳管)を通って、乳口から出るという仕組みになっています。

乳腺のトラブルで乳腺炎になる!

母乳は乳腺を通って乳口から分泌されるのですが、この乳腺がうっ滞することで、乳腺炎の症状が引き起こされます。

母乳 乳腺 仕組み

乳腺のトラブルである乳腺炎には、乳腺に乳汁がたまってしまう「急性うっ滞乳腺炎」と、乳頭の傷から細菌が侵入して起きる「化膿性乳腺炎」があります。

乳房に痛みがあり、かたく張って、熱がでた時などは、乳腺炎の可能性があります。必要に応じて、湿布などでケアをしたり、病院を受診するようにしましょう。

母乳を作るホルモンは、夜に多く分泌される

母乳 ホルモン 夜

母乳を作るためには、「プロラクチン」「オキシトシン」という2種類のホルモンが関わっています。

・プロラクチン
母乳の分泌を促すホルモン(催乳ホルモン)

・オキシトシン
母乳を絞り出す働きのあるホルモン(射乳ホルモン)

赤ちゃんが母乳を飲もうとしてお母さんの乳頭を吸うと、その刺激はお母さんの脊髄を通って、脳下垂体に伝わります。その結果、脳下垂体は催乳ホルモン「プロラクチン」を分泌、母乳が作られるというメカニズムになっています。

同時に、脳下垂体から射乳ホルモン「オキシトシン」も分泌され、乳汁をしぼり出す働きをします。「プロラクチン」と「オキシトシン」という2つのホルモンが、母乳を作る仕組みを支えているのです。

母乳を作るホルモンは「愛情ホルモン」

母乳を作る働きのある「プロラクチン」と「オキシトシン」は、母乳を出すために必要不可欠なホルモンですが、そのほかにも大切な役割があります。

プロラクチンは、母性を引き出すホルモンといわれています。女性を母親の気持ちにさせ、子供の世話をしよう、子供を守ろうという気持ちにさせます。

また、授乳中のお母さんをリラックスさせ、眠気を誘う作用があります。このプロラクチンは、夜の時間帯のほうがよく分泌されるので、夜に授乳することは母乳の分泌を高めるうえで大切です。

引用:「桶谷式 母乳ですくすく育てる本」桶谷式乳房管理法研鑽会(主婦の友社)p.31

プロラクチンは、昼間よりも夜に多く分泌されます。そのため、夜の方が母乳の分泌量が多くなります。

またプロラクチンには、細切れな睡眠に対応する働きがあります。授乳期間中は、夜に何度も赤ちゃんに起こされますが、プロラクチンのおかげでスムーズに目が覚め、授乳した後にはすぐに眠りにつくことができます。

「プロラクチン」は、赤ちゃんがおっぱいに吸い付いたときに分泌されます。一方「オキシトシン」は、お母さんが赤ちゃんの事を考えたとき、赤ちゃんの泣き声を聞いたときなどに分泌されます。

オキシトシンは、母乳を乳管に押し出すと同時に、産後の子宮の筋肉も収縮させて、子宮の回復を早める役割もします。

そしてオキシトシンは別名「愛情ホルモン」とも呼ばれ、赤ちゃんのことがたまらなく可愛く思え、自然に深い愛情がわいてくるのを感じさせてくれます。

引用:「桶谷式 母乳ですくすく育てる本」桶谷式乳房管理法研鑽会(主婦の友社)p.31

愛情をよびおこすホルモン「オキシトシン」は、幸せ感をもたらし、ストレスを緩和する働きがあります。このホルモンは、赤ちゃんのことを考えたときなどに多く分泌されます。

しかしオキシトシンは、お母さんがストレスを感じたり緊張したときには、分泌されなくなってしまいます。母乳育児ママとって、強い緊張やストレスは大敵なのです。

また授乳中は「プロラクチン」「オキシトシン」のほかにも、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンなどが分泌され、お母さんの体力・気力をサポートする仕組みになっています。

幸せホルモン「オキシトシン」を増やす方法

赤ちゃんへの愛情が深まるホルモン「オキシトシン」が分泌されると、こんなメリットがあります。

・母乳育児がスムーズに進む
・ストレスが緩和される
・幸せな気持ちになる
・感染症に対する防御力が強まる
・体温が上昇する
・疲労からの回復力がアップする

産後の授乳期にストレスはつきもの。なかなかまとまって眠れず、食事にも制限があり、産後の体はあちこち痛い‥。積極的にオキシトシンを分泌させて、心身ともに回復したいものですね。

オキシトシンは、自閉症や精神疾患の治療のために、研究が進められているホルモン。海外では「オキシトシンスプレー」なども販売されているのですが、日本国内では市販されていません。

それでは、母乳を作るホルモン「オキシトシン」を自力で増やすには、どのような方法が考えられるでしょうか。

オキシトシンを増やす方法5つ

1)他者と多くスキンシップをする
2)ペットと触れ合う
3)適度な運動をする
4)深くゆっくりと腹式呼吸をする
5)太陽の光をあびる

このなかで特に効果的なのは「他者と多くスキンシップをする」ということ。オキシトシンは、精神的な要因に大きく左右されるホルモンなのです。

赤ちゃんの事を考えたり触れたりすることで、オキシトシンは多く分泌されます。赤ちゃんと多いにスキンシップをすることは、母乳育児をスムーズにするコツです。

産後はなかなか外出するのも大変ですが、晴れた日には適度に散歩などをして、ゆっくりと深呼吸をしてみるのも効果的です。

母乳の出方を確認するには?

母乳 出方 確認

母乳の出方には、大きな個人差があります。おっぱい不足に悩むママもいれば、勢いよくピューピューと出るママもいます。授乳中にもう片方の乳房からポタポタと出てしまうママもいますし、左右の乳房で出方が違うこともあります。

母乳がピューピューと出ているお母さんはさておき、母乳は出方が確認できないので、おっぱいが足りているか不安になることがあるかもしれませんね。

母乳の出方が心配なときの赤ちゃんのサイン

・おしっこの回数・量が少ない
・ウンチの回数・量が少ない
・体重がなかなか増えない
・母乳を飲んだあとも、機嫌が悪い

いくつもあてはまった場合は、母乳によい食生活やこまめな水分補給をこころがけ、おっぱいの出方や赤ちゃんの様子を観察してみて。

母乳が出るとき、胸がツーンと痛いのは、なぜ?

母乳 ツーン 痛い

赤ちゃんに授乳しようとすると、胸にツーンとするような痛みはありませんか?この胸にツーンとした痛みがある感覚は、催乳ホルモン「オキシトシン」の作用によるものです。

この感覚には個人差があって「胸がゾクゾクする」「ちくちくと痛い」という感覚の人もいます。

このツーンとした感覚は、授乳中ずっと続くわけではなく、30秒から1分ほどで終わってしまいます。おっぱいも赤ちゃんもしばらくお休みしていると、また胸がツーンとしてきて、また授乳がはじまる‥というサイクルになります。

母乳の出方とは

・母乳の出方は一定ではなく、出たり止まったりが繰り返される
→赤ちゃんの胃が急に母乳でふくらまないように、自然に調節されている

個人差がありますが、胸がツーンとする「おっぱいが出るサイン」は、1回の授乳で2~3回感じることが多いようです。

もし胸がツーンとしなくなったり、この感覚がわからないようになってきたら、それはお母さんが強いストレスを感じていたり、体調が悪くなっているサインです。

お母さんの胸がツーンとする「おっぱいが出るサイン」と、赤ちゃんの「母乳が飲みたいリズム」が一致したら理想的。授乳のリズムが2~3時間に落ち着き、お母さんも赤ちゃんも健やかに過ごせるようになります。

母乳を作る仕組みは、とてもデリケート!

母乳 作る 仕組み

お母さんの赤い血液が、白い母乳に変わり、赤ちゃんの完全な栄養食になる‥この自然な営みには、お母さんに分泌されるホルモンが大切な役目を果たしています。

母乳出る仕組みとは

・母乳は血液から作られる
・乳腺葉で作られた母乳は、乳腺で乳口までつながっている

母乳を作るホルモン2つ

・催乳ホルモン「プロラクチン」
・射乳ホルモン「オキシトシン」

オキシトシンを増やすためには

・赤ちゃんとスキンシップをする
・ペットと触れ合う
・適度な運動をする
・深くゆっくりと腹式呼吸をする
・太陽の光をあびる

母乳はストレスを感じると出にくくなってしまいます。「絶対に、母乳育児を!」と気負いすぎると、逆にストレスや緊張をかかえこんでしまうかもしれません。

子育てに「絶対」はありません。ストレスをためこまず、必要ならミルクや、母乳の出るハーブティーの力なども借りて、ムリのない母乳育児を。

この記事を書いた人

執筆者:菜月

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