乳腺炎の原因は?乳腺炎の対処法と「治し方」のヒント5つ

乳腺炎 原因

「急に乳腺炎が悪化したみたい‥どう対処したらいい?」

軽い頭痛や寒気がすると思ったら、急に発熱したり、おっぱいが腫れたり‥授乳中ママを悩ませる「乳腺炎」は、一気に症状が悪化するので困りますね。

乳腺炎の症状が出たら、なるべく早く産婦人科や母乳外来などを訪れたいもの。でも「今日は病院へ行けない」という場合は、どう対処したらいいのでしょうか。

・乳腺炎の原因と、治し方を教えて!
・胸が痛い時でも、普通に授乳していいの?
・乳腺炎に「葛根湯」が効くってホント?

今すぐ乳腺炎の進行を抑えたいママに。乳腺炎の原因と、治し方のヒントについて、まとめてみました。

乳腺炎の原因は?

乳腺炎 原因

乳腺炎は、授乳期によく起きるおっぱいトラブルのひとつ。乳腺炎には「うっ滞性乳腺炎」と「細菌性乳腺炎」という2種類のタイプがあります。

<乳腺炎の原因とタイプ>

・うっ滞性乳腺炎
(原因)乳房のなかに排出できない母汁がたまって炎症が起きるため

・細菌性乳腺炎
(原因)乳頭の傷が細菌に感染し、炎症がおきるため

「うっ滞性乳腺炎」と「細菌性乳腺炎」の症状はほとんど同じですが、母乳育児中におきる乳腺炎の多くは「うっ滞性乳腺炎」だと言われています。

それでは「うっ滞性乳腺炎」は、どのような原因で引き起こされるのでしょうか。

原因 1)授乳間隔のあきすぎ

「乳腺炎」は多くの場合、乳房に古い母乳がたまって「うつ乳」状態になることが原因となります。

そのため長時間にわたって授乳も搾乳もしてない場合や、授乳間隔があきすぎる時には、注意が必要です。外出時や夜間なども、できるだけ定期的な授乳を心がけましょう。

またよく寝る赤ちゃんで、ママが飲ませたいタイミングとあわず、授乳間隔があきすぎることも、おっぱいトラブルの原因になります。

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原因 2)母乳飲ませ方が適切でない

授乳の姿勢が悪く、赤ちゃんへの飲ませ方が適切でないことも、乳腺炎の原因のひとつ。赤ちゃんが乳首を深くくわえずに飲んでいると、乳房内におっぱいの「飲み残し」ができ、古い母乳がたまってしまうのです。

<乳腺炎の原因となる赤ちゃんの飲み方>

・乳首を浅くくわえたり、乳頭をゆがめて飲む
→うまく飲まれない乳腺には、慢性的に母乳がたまってしまう

・哺乳力が弱く、上手く吸えていない
→乳房内に飲まれない母乳がたまってしまう

・乳首を引っ張り飲みする
→引っ張られる乳管が次第に細くなり、その部分に母乳がたまりがちに

赤ちゃんがうまく乳頭に吸着していれば、乳房全体からまんべんなく飲むことができます。上手に哺乳できるよう、飲み方や吸い付き方を、もう一度チェックしてみましょう。

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原因 3)高脂肪・高カロリーな食生活

甘いものや脂っこいものを食べた後に、おっぱいが詰まりそうになった経験はありませんか?授乳中ママは食生活にも注意が必要です。

<乳腺炎の原因になると言われる食べ物>

・揚げ物や脂肪が多い肉など、脂っこい料理
・生クリームなどを使ったスイーツ類
・お餅や赤飯

上記のようなものを多く食べると、ドロドロとしたおっぱいがつくられ、乳腺に詰まりやすくなる原因になると言われます。

サラサラとした母乳を作るためには、脂っこい食べ物を控え、あっさりした味付けの和食中心のメニューを心がけましょう。

その他の原因

乳腺炎の原因はさまざま考えられますが、多くの場合、原因がいくつも重なって炎症が起きると言われています。

・疲労やストレス
→ママの睡眠不足やストレス、疲れなどもおっぱいトラブルの原因に。旅行や引っ越し、旅行などのイベントの際は要注意です。

・ミルクの足しすぎ
→本当は母乳が十分な量がでているのにミルクを足すと、乳房のなかに古い母乳が溜まります。

・母乳を飲む量と分泌量のバランスが悪い
→ママのおっぱい生産量が、赤ちゃんが飲む量よりもかなり多いと、乳腺炎の原因に

・乳房への外的損傷
→おっぱいを赤ちゃんに蹴られたり、強くぶつけたことが原因で、乳腺の組織を痛めてしまうことがあります。

きつい衣服やブラジャーを身につけることも、乳腺炎の原因のひとつ。ブラの圧迫で乳管が詰まり、乳房内の循環が悪くなります。ワイヤー入りのブラや、締め付けのきつい衣服は、避けるようにしましょう。

乳腺炎の「治し方」のヒント5つ

乳腺炎 治し方

乳腺炎の症状が出てしまったら、早めに産婦人科や助産院などを訪れたいものですが、「今すぐに病院に行けない」という時は、どう対処したらいいのでしょうか。

また「おっぱいに違和感を感じる」「乳腺炎になりかけかも」という場合、どのような治し方をすればいいでしょうか。乳腺炎の対処法と、治し方のヒント5つを見てみましょう。

治し方 1)頻回授乳を心がける

乳腺炎の症状が出ている時、あるいは乳腺炎になりそうな時は、とにかく頻繁に赤ちゃんに授乳することが大切です。母乳を飲ませることは乳腺炎の最善の治し方であり、早く回復する方法です。

3時間以内の授乳間隔を守り、少しでも多く母乳を飲んでもらいましょう。夜間の授乳も乳腺炎を治すために大切なので、赤ちゃんを起こしてでも母乳をあげるよう心がけて。

乳腺炎のおっぱいはドロドロしているので「飲ませても大丈夫?」と心配になりますが、乳房が腫れている時の母乳でも飲ませて大丈夫です。(ただし乳腺炎のおっぱいは美味しくないため、飲むのを嫌がられる可能性も)

<正しく飲めているかどうかチェック!>

赤ちゃんが正しく母乳を飲めているかどうか、授乳後に乳首の形を確認してみましょう。乳頭が歪んだり、つぶれたりしてはいませんか?

乳頭にゆがみなどがない場合、赤ちゃんは上手に飲めていますが、もし上手に飲めていない場合、乳頭はつぶれたような形になります。

うまく飲めていない場合は、授乳姿勢や吸い付かせ方をもう一度見直してみましょう。「横抱き」「フットボール抱き」などにするとうまく飲める場合があります。

授乳の際に、乳腺炎トラブルのあるおっぱいから先にあげることもポイントです。張りすぎて飲みにくそうな場合、少しだけ前絞りすると飲みやすくなります。

治し方 2)授乳のあとに搾乳をする

授乳したあと、まだ乳房内に母乳が残っているようなら、そのまま放置せず搾乳しておきましょう。飲み残しの母乳は、乳腺炎を悪化させる原因になります。

飲ませたあと、搾乳すると、ときどき1本または数本の排乳口から、まるで膿のような黄色いねっとりとした乳汁が出てくることがあります。

このような乳汁を残しておくと再度発熱したり、しこりになったりするので、上手に搾乳して出しておきましょう。この時の搾乳は、決して患部をしごいたり、強くもんだりしないように。

乳腺炎になった部分の安静も大切なので、やさしく搾乳して下さい。

引用:「桶谷式 母乳で育てる本」桶谷式乳房管理法研鑽会(主婦の友社)p.127

ただし搾乳のしすぎには注意が必要です。搾りすぎると、逆に胸が張って辛くなる原因になるので、様子を見ながら行うようにしましょう。

治し方 3)赤く腫れて痛む場合は、冷やす

乳腺炎でおっぱいが赤く腫れて痛む時や、熱をおびている時は、気持ちいい程度に乳房を冷やしてケアしましょう。ただし保冷剤などで急に冷やすと、乳腺が固くなる原因になるので、冷やしすぎないよう気をつけて。

保冷剤で冷やす場合は、冷やしすぎないように布で包みましょう。様子を見ながら「冷えピタ」や濡れタオルで冷やしてもよいでしょう。

手作り湿布を使った治し方もおすすめ。自宅で手軽に出来る「じゃがいも湿布」や「キャベツ湿布」なども、熱をとるために効果的です。

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治し方 4)消化のよい食べ物を

乳腺炎の症状が落ち着くまでは、消化がよく温かい食事をとるようにしましょう。できればカロリーが低く、あっさりとした味付けの和食がおすすめです。

<控えたい食べ物>
・乳製品
・脂っこいもの
・甘いお菓子、スナック菓子
・ファーストフード
・お餅、お赤飯 など

<摂りたい食べ物>
・野菜の煮物(特に根菜類)
・おかゆ
・お味噌汁、スープ
・うどん、そば など

おっぱいトラブルがあるうちは、できるだけ油っこい食べ物や、甘い食べ物を控え、胃腸に負担をかけない食事を心がけて。野菜たっぷりの味噌汁や、消化のよいお粥、雑炊などがよいでしょう。

治し方 5)十分な水分補給と休息を

ママの疲れがたまっていたり、体が冷えていると、乳腺炎になりやすいと言われます。赤ちゃんに頻回授乳をしながら、できるだけ体をゆっくり休めるようにしましょう。

また体内の循環を促すためにも、しっかりと水分補給を。体を冷やす冷たい飲み物ではなく、ノンカフェインのお茶やハーブティ-を、ホットで飲むようにしましょう。

乳腺炎の予防効果で有名な「たんぽぽ茶」もおすすめです。血液をサラサラにする働きがあるので、質がよく詰まりにくい母乳になることで知られています。

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乳腺炎の対処法│葛根湯も効果的!

乳腺炎 葛根湯

乳腺炎が悪化する前ぶれとして、頭痛やだるさ、ゾクゾクとした寒気など、風邪のひきはじめのような症状が出ることがあります。

乳腺炎になりかけのタイミングには、漢方薬「葛根湯」が効くと言われます。「葛根湯」は授乳中でも安心して飲める薬のひとつで、乳腺炎の症状を緩和する効果が期待できます。

乳腺炎=葛根湯は、母乳育児中のママには常識になりつつあるようですが、正しい使い方をしている人は案外少ないように思います。葛根湯は飲むタイミングが重要なのです。

葛根湯は発汗作用を促し、おっぱいが炎症を起こそうとするのを抑えてくれます。これから上昇しようとする熱を下げる作用があるのです。

だから、明確な炎症症状が出てからでは、時すでに遅し‥なんです。悪寒の後、熱がバーンと上がりきってからでは効果はありません。(中略)「おっぱいがなんか変だぞ?」と直感した時点で早めに内服するのがポイントです。

引用:「10人産んだスーパー助産師のストレスゼロで続けられる!母乳育児の本」こばやしひさこ(すばる舎)p.106-108

葛根湯は、乳腺炎が本格的に悪化してから飲むのではなく「乳腺炎になりそう」と思ったらすぐに服用するのがベストな治し方です。

母乳育児ママは葛根湯を「常備薬」として準備しておくのも1つの方法です。葛根湯はツムラやクラシエなど、市販のものでもOK。

身体を休めながら、頻繁に授乳を

乳腺炎 治し方

乳腺炎になりかけの時も、症状が出てからでも、頻繁におっぱいをあげることで症状は緩和されます。でも乳腺炎のおっぱいは美味しくないため、子供は暴れて飲むのを嫌がったり、寝たふりして飲んでくれなかったり‥。

でも「母乳を飲まないからミルクにしよう」というのはNG。「まずいおっぱいでごめんね」「美味しいおっぱいに戻るから、飲んでね」とお願いしながら飲んでもらいましょう。寝ぼけている時を狙うとうまくいくことも。

乳腺炎のときは、頻回授乳を心がけながら、症状が悪化する前に医療機関を訪れて下さいね。

この記事を書いた人

執筆者:菜月

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